2016年05月15日

映画『Rams』

映画『Rams』を観ました。
アイスランドの僻地で共に羊飼いとして暮らすグミーとキディー。二人は隣同士で暮らす兄弟でありながら仲が悪く、40年も口をきいていない。
ある日、キディーの羊が伝染病にかかっていることが分かり、感染の拡大を防ぐには村の全ての羊を殺処分するしかないとの行政判断が下される。
羊は財産である以上に家族でもある2人にとってそれは受け入れがたいことだったが、2人それぞれがとった行動とは・・・。

カンヌ国際映画祭”Un Certain Regard(ある視点)”部門でグランプリを獲った、アイスランドを舞台にしたコメディタッチのドラマ。ネット上のレビューを見て面白そうだなあと思っていた作品。
仕事で忙しかったけれど何とか時間を作って、上映が終わる前に映画館へ見に行ってきました。



感想。
登場人物はグミーとキディーをはじめとする牧羊主たちと獣医師、羊と牧羊犬。セリフは多くなく、大仰なBGMもない。
シンプルであるがゆえに余白が生きて、グミーやキディーの心象風景が画面から響いてくる。

物語は主にグミーの視点で進みます。羊コンテストで優勝をキディーにさらわれたことから、キディーの羊の感染症疑惑を密告する形になり、しかし結果としてグミーを含めた一帯の羊全てを殺処分する事態になる。
牧羊以外に収入源もない彼らにとって、羊を失うことは生活を失うこと。この地を離れる決断をする人も。
羊って、こんなんだったっけ。従順で群れになって、なかなか可愛らしいです。
100頭余りもの羊を家畜小屋に集め、銃を手に覚悟を決めて羊の中に分け入っていくグミー・・・。この映画の1つのハイライトだと思いました。

遠い北欧の国、アイスランド。この国に対する知識はあまり多くないけれど、とにかく寒いんだろうな、と。
季節の変化に乏しいオーストラリアに居るからか、雪景色とか、冬の、日没後の暗い戸外と暖かい光のもれる窓辺、といった画面に見入ってしまいました。
雪が降った日の翌朝、積雪で玄関外の階段が埋まってグミーが家から出られなくなっているのを、隣に座っていたオージー男性は笑っていましたが、いやいや、これに近いことは私の実家のある京都府北部でも起こりますから。

グミーとキディーの2人がなぜ40年もの間、仲違いをしているのかについては何も説明されませんが、あることがきっかけで、2人は羊を守るために”共犯”となる・・・これ以上は控えます。

映画は激しいブリザードで幕を閉じますが、何かが氷解するのを示唆しているかのよう・・・。でももう少し何か、観客に向けての説明があっても良かったかなあという後味でした。
エンドロールでは”Sheep”として、何頭分かの羊の名前がちゃんとクレジットされてましたー。

Palace Norton Cinemaにて13:45の回で鑑賞。
邦題は『ひつじ村の兄弟』で、日本での上映はほぼ終了。京都シネマでは5月21日より上映開始。
posted by miyuki at 19:40| Comment(0) | FILMS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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